民間の平均給与 10年前より35万円も減少

2009年10月05日 11:00

 国税庁が速報として公表した2008年分民間給与実態調査で、給料と手当てや賞与をあわせた平均給与は429万6000円と前年に比べ1.7%減少していた。10年前の1998年(464万8000円)に比較して、35万2000円もの減少となっており、サラリーマン家計が厳しくなっていることを裏付ける数値になっていた。

 また、男女別にみると、男性は532万5000円と前年に比べ9万7000円減少し、女性は271万円と、前年に比べ2000円の減にとどまった。家計の柱を担っている男性の所得の減少が個人消費の伸び悩みを特に招いているといえそう。

 調査は国税庁が、民間の年間給与の実態を給与階級別、事業所規模別、企業規模別等で明らかにし、租税収入の見積り、租税負担の検討、税務行政運営の基本資料とすることを目的に毎年実施されており、今回で60回を数えている。

 それによると、昨年12月31日現在で、民間の事業所に勤務する給与所得者数は5473万9000人で対前年比1.8%(97万人)増加した。昨年中に民間の事業所が支払った給与の総額は201兆3177億円と伸び率ゼロで、源泉徴収された所得税額も8兆6277億円と前年に比べ4.1%(3688億円)減少した。また、源泉徴収義務者数も376万3000件で前年に比べ0.6%減った。1998年(390万8000件)に比べ、14万5000件減少している。

 民間の事業所に1年を通して勤務した給与所得者は4587万3000人で、前年より1%増えたが、給与総額は197兆670億円と逆に0.8%減少している。

 平均給与を業種別でみると、電気・ガス・熱供給・水道業が675万円で最も高く、金融業や保険業が649万円でこれに続いた。最も低いのは宿泊業や飲食サービス業の250万円で、農林水産・鉱業(310万円)やサービス業(338万円)、不動産・物品賃貸業(377万円)、卸売・小売業(378万円)が300万円台。医療・福祉が400万円丁度になっていた。建設業は444万円。製造業は495万円だった。
(編集担当:福角忠夫)