新政権でどう変わる わたしたちの暮らしと環境 (5)中小零細企業への支援

2009年09月14日 11:00

 長引く内需低迷の中で中小零細企業の運転資金を支え、連鎖倒産などを防ぐことにより地域の雇用と経済を守ろう、と民主・社民・国民新党の新政権は中小零細企業の振興、支援を運転資金面からフォローするため、貸付債務の返済期限の延長や貸付条件の更新を可能にする「貸し渋り・貸しはがし防止法」の成立をめざす。

 この法案は金融危機の中で、昨年12月19日に3党が共同して参議院に時限立法として提出していたが、このときは成立を見ずに廃案となった。

 このときの案の骨格は、金融危機に伴う取引先の倒産等の影響を受け、資金繰りが悪化するなどし、銀行など金融機関に対し債務の返済に支障が生じた場合「当該貸付に係る債務返済の期限の延長、その他貸付条件の変更を行う」ことができるようにすることや、「当該金融機関が当該事業者の株式又は持分を取得することにより、当該貸付に係る債務を消滅させる」などの措置が講じられるようにしていた。

 また、個人の住宅ローンに関しても、勤務先の倒産や事業規模の縮小に伴う失業等によって債務返済に支障が生じている場合、返済期限の延長、貸付条件の変更などが行えるようにする、としていた。

 これを実施するにおいては、金融機関の経営が不安定にならないよう、必要な財政上又は金融上の措置その他の措置を政府として講じなければならないと政府が担保するようになっていた。

 今回は、同案をたたき台に見直しを図ったうえで、与党案として再度、法案を提出し、成立させることになりそうだ。

 また、政府系金融機関による貸付制度や信用保証制度の拡充を図る、としている。

 民主党としては「政府系金融機関については個人保証の撤廃を、また、自殺の要因になっている連帯保証人制度については廃止も視野に入れ検討する」ことをマニフェストでも明記している。中小零細事業所では内需依存型が多いだけに、運転資金についても、同法案の早期提出、早期成立を希望するところは少なくない。
(編集担当:福角忠夫)