地球温暖化による農作物の影響調査まとまる

2009年09月11日 11:00

 農水省は地球温暖化による平成20年の農作物への影響調査の概要を公表した。

 水稲では北海道を除く全てのブロックで斑点米カメムシ類が多発したことや関東、東北以北ではリンゴの果実肥大期から収穫期(8月から10月)が高温だったため、着色不良になるなどの影響を受けていた。トマトも北海道を除く全ブロックで着果不良などの被害を受けていた、としている。

 一方で、こうした高温障害への対応として、水稲やトマト、柑橘では高温耐性品種の導入を図る動きが進んでいたり、水稲では遅植えでの対応、カメムシ類の多発には畦畔雑草の管理などの取組もみられた。

 高温耐性品種の導入事例では鹿児島県農業開発総合センターの事例などを紹介している。農水省によると、同センターでは「出穂が遅く登熟期の高温による品質低下が回避できる新品種 ・あきほなみを開発し、2008年度は採種圃、実証圃での栽培を行った。そして、今年度は約150ヘクタールの作付が行われている」という。同センターでは「ヒノヒカリとの区分管理が可能な地域から順次作付面積を拡大し、2012年度までに2000ヘクタール 以上の普及を目指す」としている。

 同調査は2006年度から毎年実施されており、発生状況と適応策をまとめることにより、農業者や農業指導者の参考資料に役立てている。
(編集担当:福角忠夫)