「Brightcove3」が動画配信の主流に

2009年08月04日 11:00

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「Brightcove 3」は、動画コンテンツの管理・公開を行うシステムをPaaS(Platform as a service)で提供する動画配信プラットフォームで、既に世界で700社以上に導入されている

 Jストリーム <4308> とブライトコーブは、先日にリリースされたオンライン動画配信プラットフォーム「Brightcove 3」の日本語版が、アニプレックスの公式サイトや、中部日本放送に動画コンテンツの配信システムとして採用されたと発表した。

 「Brightcove 3」とは、動画コンテンツの管理・公開を行うシステムをPaaS(Platform as a service)で提供する動画配信プラットフォームのこと。動画コンテンツやプレイリストの管理、エンコーディング、プレーヤーの作成とカスタマイズ、アドサーバーとの連携、動画視聴のレポーティングなどインターネット動画の管理や公開に必要な全ての機能を備えている。このシステムを利用することで、動画サイト構築にあたってアプリケーション開発やサーバー構築を一切必要としないため、時間やコストを大幅に削減することができる。また、Flash(R) Video方式で配信することにより、WindowsやMacintoshなど幅広いユーザーに、短時間でスムーズな配信も可能となった。

 同システムは、ソニー・ミュージックエンタテイメント傘下である、アニメーションを主とした映像作品の企画・製作を行う「アニプレックス」の公式サイト内で動画配信システムとして採用された。同サイトでは、アニメーションをメインにした作品を紹介するとともに、プロモーション動画コンテンツの配信を行っており、人気タイトルのテレビスポットや、劇場版予告編などの映像が数多く公開されている。今回「Brightcove 3」を導入することで、アニメコンテンツ毎にカスタマイズしたプレーヤーを使用し、コンテンツのイメージに合った動画の配信が可能となった。また、10種のテンプレートをカスタマイズすることにより、オリジナルのインタフェースが作成でき、各作品のブランディングによりマッチさせることができる。さらに、各コンテンツの公開、配信管理をひとつの画面に統一できるため、運用の負荷も軽減される。

 さらに、地方放送局としては初めて中部日本放送が、同システムの採用を決定。以前より、自社制作番組や、アナウンサーコンテンツ動画など、ウェブサイト上で積極的に展開してきた同局では、今回の「Brightcove 3」の採用で、今後さらに、より多くの聴取者を獲得し、メディアとして価値向上を図りたいとしている。

 ブライトコーブは、米国ブライトコーブ、電通、Jストリーム、トランスコスモス、サイバー・コミュニケーションズ(cci)が2008年6月に共同で設立。ブロードバンド回線の普及により、多くのメディアやコンテンツ事業者、マーケティング担当者が独自のインターネット動画配信サービスへの関心が高まっている中で誕生した新会社だ。コスト効率や質など、様々なニーズに対応すべく、アメリカで多数の実績を持つブライトコーブ、マーケティング力やクリエイティブ力に定評のある電通やcci、動画配信支援事業者としての実績があるJストリームの総力を集結し、インターネット上で動画配信プラットフォーム提供サービスを行っている。

 「Brightcove 3」は、オンラインビデオプラットフォームのリーディング的存在で、日本を含め世界で700社以上の導入実績を誇る。2008年8月からは、英語版でのサービスが日本国内で開始されており、ソニーミュージックやアサヒビールグループ、東京ガスなどで既に採用されている。今回「Brightcove 3」の日本版がリリースされたことにより、今後、オンライン動画配信サービスの普及に加速がかかっていくことが予想される。
(編集担当:北尾準)