南極地域観測統合推進本部(本部長・文部科学大臣)が先代の南極観測船「しらせ」(基準排水量1万1600トン、船体長134メートル、幅28メートル、深さ14.5メートル)の後利用をしてもらおうと、7月17日から一般公募を始めた。9月11日まで受け付ける。同船に対しての一般公募は2度目になる。
利用にあたっては南極観測をはじめ、広く地球環境や海洋にまで国民の関心、理解を高める一助になるよう、一般に開かれた利用にすることを前提にしている。
国は先代の「しらせ」売却にあたって、時価払いとすることや、国内で利用すること、用途使用期間終了時には引き続き、用途指定された内容で利用する場合を除いて、解体処分すること、今年12月までに売り払い契約を締結し、来年3月末までに引き取ることなどをあげており、引渡しは横須賀港になる予定としている。
先代「しらせ」は1982年11月に竣工し、1983年以降、24回にわたって南極地域観測の輸送支援を行ってきた。昨年7月にその任を終えた。文部科学省によると「この間の総日数は3652日、総行程52万3662マイルになる」としている。また「昨年、メモリアル品として保存活用されることになった部品などのほか、海上自衛隊の他の艦艇での活用などを目的として一部の機器が取り外されているため、航行はできない状態になっており、船舶として使用する場合には船舶安全法に基づいた検査に合格する必要がある」。
南極地域観測統合推進本部は応募のあった中から、10月下旬までに検討委員会で審査のうえ、結果をとりまとめ、11月初旬には本部総会で決定し、公表したい意向。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)