農林水産分野関係で初の「国内クレジット」認証が出された。認証されたのは大分県玖珠郡玖珠町岩室1376のバラ農園・有限会社メルヘンローズのヒートポンプ導入によるCO2削減事業で、年間約577トンのCO2排出削減につながるとしている。メルヘンローズでは「農業分野では最初ということで、大変光栄に思っています」と話している。
農水省の発表によると、バラの生産を行っている有限会社メルヘンローズは、ハウスの暖房を新規導入したヒートポンプをメインとしてA重油焚き暖房機と併用することによりCO2を年間約577トン排出削減する。
これに対し、東京都港区内にある昭光通商株式会社がこの創出されたCO2排出削減量を国内クレジットとして取得し、バラ園の地元農協・玖珠九重農業協同組合がメルヘンローズから昭光通商への国内クレジットの授受の媒介を行い、全国農業協同組合連合会が排出量のモニタリングなど支援を行うというもの。
今年1月に開かれた国内クレジット認証委員会に申請していた。期間は2008年度から2012年度までの5年間となっている。
メルヘンローズは1990年に地元の園芸農家の人たちが創業し、1995年に有限会社に組織替え。約3万平方メートルの温室栽培面積を有し、現在、東京や大阪方面へ年間200万本から230万本のバラの切り花を出荷している。
今回の認証について、メルヘンローズでは「計画申請から、認証申請まで農家としての壁がありました。コスト削減とCO2削減が一挙にできるということで取り組むことになりました。ただ、CO2削減をどこまで精度の高いレベルで測定できるのか、事務量も繁雑になるため、農水省や経済産業省にも、農家レベルでもできるようにしてほしい、と要望しました。結果、ある程度の測定器を入れることにより測定が認められ、認証をいただけました。農業でのCO2削減のさきがけになれたことを光栄に思います」と話している。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)