フグの老舗として知られる山口県下関市の株式会社日高食品が「フグの加工品などの商品に事実と異なる製造年月日を表示し、その表示を起点に科学的・合理的根拠のない賞味期限の表示を行っていた」などとして、農林水産省は6月19日、同社に対し、JAS法に基づき、不適正表示に対する改善と再発防止の取り組みを7月21日までに農林水産大臣に報告するよう指示を行った。
同社では、5月22日ころから問題の商品の自主回収に入っており「5月27日からの製造出荷分の商品に表示している賞味期限ついては、JAS法に即した表示を行っている。ただ、賞味期限の日付が回収対象の期間に含まれるものもあるため、不明な点は問い合わせいただきたい。消費者の皆様、取引先などにご迷惑をおかけしたことをお詫びします」としている。
また、原材料の表示についても、原材料が「トラフグ」であることを表示した商品が使用割合で100%使用でないのに、その割合を表示しないで販売していたとして、あわせて、改善指示がなされた。
農林水産省では同社で扱う全ての食品について、表示の点検を求めるとともに、品質表示基準にそった適正表示を行うよう指示。また、今回の問題発生の原因究明と再発防止、品質表示制度に対する全社あげての遵守の徹底にむけての具体策を農林水産大臣あてに提出するよう指示した。
中国四国農政局の調べによると、同社が製造したフグ加工品など295商品と製造委託しているフグ加工品など41商品で商品の出荷日や指定した日を製造年月日として表示し、この日を起点に賞味期限を表示して、90万個あまりの商品を一般消費者に向け販売した、としている。また、「とらふく雑炊スープ」などトラフグである旨の表示をして販売している商品について、原材料が100%トラフグでないのに、その割合を表示せずに4万2592個を販売した事実を確認した、としている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)