文部科学省は小中学校の耐震化やエコ化と並行して、ICT化を推進するため、学校ICT環境整備に補正予算で4000億円を確保。公立の小学校や中学校、中等教育学校、特別支援学校、高校など全国3万7000校全てで校内LAN整備が年度内に達成できるよう、地方自治体に呼びかける。事業に必要な費用の2分の1は学校ICT環境整備事業として自治体に交付されるほか、残りの半額についても政府の地域活性化・経済危機対策臨時交付金で賄われるため、事実上、全額国費で事業に取り組める魅力がある。
校内LAN整備について、同省は平成23年度に100%達成できればとの目標で取り組んできた経緯があるが、今回の経済対策や大型補正で予算が確保できたことから、目標を2年前倒しして、今年度100%達成をめざすことにしたとしている。
補助の対象となる事業には(1)教育活用されている全てのテレビを50インチ以上のデジタルテレビに買い替える(2)このうち電子黒板を小学校・中学校に1台ずつ整備する(3)校務用コンピュータについては教員1人につき1台設置する(4)教育用コンピュータについては児童生徒3.6人に1台設置する(同省の調べでは現在、7.0人に1台の設置割合になっているという)(5)全ての普通教室に校内LANを設置する(現在のLAN整備状況は63%)」などがあり、文部科学省ではICT化推進のための費用として「1校あたり1100万円程度が確保できた」としている。
また、「今回の補助金は実物投影機、DVD、デジタル教材などのソフトウエアなど周辺機器も補助の対象となっているので、周辺機器も含め積極的な活用を」と呼びかけている。財政難に陥っている自治体が多いだけに、今回の制度は教育環境整備に格好の機会といえそう。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)