荒廃農地 再生目標 3年で10万ha

2009年06月15日 11:00

 荒廃した農地の再生により食料自給率の向上と農村の活性化、農村景観の保全に役立てよう、と農林水産省は全国にある28万4000haの耕作放棄地の再生に向け、今年度予算に356億5000万円を計上し、具体化に向け動き始めた。「2011年度には概ね10万haを農地利用できる状態に再生したい」(同省農村振興局農地資源課)と目標をあげている。

 同省が今年、耕作放棄地の現況を市町村の自治体を通して調査した結果、28万4000haが耕作放棄された状態だったが、このうち、13万5000haは農地再生に相当の投資が必要な荒廃状態になっており、比較的再生が容易な状態や再生可能な状態の農地が14万9000haあった、としている。

 このうち、8万3000haは農業振興における農用地区域に該当しており、まず、こうした地域の農地再生に傾注したい、としている。

 今回の再生支援では、例えば、兼業農家のサラリーマンが定年退職を契機に自身の農地を再生し、農業生産に励もうと取り組んだ場合、農業を離れてしまっていたために荒廃が進んだ農地の雑木などの除去作業費用は全て自費負担になるが、土壌の改良に要した費用が一反(10アール)あたり6万円以上であった場合、領収書などにより証明できれば、最大2万5000円の補助を受けることが出来る。対象になるのは、最大2年間。また、土壌改良が済み、作付けを行い生産活動に入った場合にも、営農定着に対する支援として土壌改良と同様に1反あたり6万円以上を要したとの証明ができれば2万5000円の補助を受けることができる。こちらは最初の1年のみ。

 認定農業者や農業生産法人に限らず、農地の再生に意欲を持つ農地所有者や耕作者を含めた荒廃農地の再生支援措置に効果が注目される。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)