少子化で特に3つの改革を 舛添厚生労働大臣

2009年06月09日 11:00

 舛添要一厚生労働大臣は少子化問題について、「妊婦健診の公費負担の拡大など様々な手は打ってきており、少しずつ効いてきている」と一定の効果が出つつあるとの考えを示しながらも、「少子化にはいろいろ複合的な要因があると思う。ひとつひとつ解決して行きたい」と問題解決へ姿勢を示し、特に取り組まねばならない課題として考えなければならない点について3つの改革の必要をあげた。

 具体的には「働き方の改革」「子育て支援の改革」「(費用がかかりすぎる)教育の改革」。

 特に、「共働きの場合、夫婦がヘトヘトになっていてはとても出産、育児はできないと思います」と子育て可能な労働形態の検討を社会全体としても考えなければならないと、働き方の改革を強調。また、子育て支援では、こども基金を有効活用するなど、保育所の拡充を図り、子育てがしやすい社会環境をつくっていく。こうした「働き方と子育て支援の改革が出生率上昇につながる」とした。

 教育費についても「直接担当ではないが、教育の改革を行わないと塾や予備校を含めすごい教育費がかかっている。とてもじゃないが、3人子どもがいたら家計がもたないこともある」と子どもの教育にかかる保護者の大変さに理解を示し、家計に占める教育費の大きさ(負担)が、複数人の子どもを希望しながらも、結果的に1人にとどめるなど、少子化要因のひとつになっている、との見方を示した。

 内閣府の2005年版国民生活白書によると、生まれてから大学卒業(22歳)までの間に子育てに要する費用は概算で1302万円あまりになっている。このうち、528万円は教育費。2人目では1人目の約8割弱の1052万円だが、教育費は441万円。3人目は、1人目の6割弱の769万円で、教育費は246万円まで抑えられるが、3人合わせると、教育費だけで1200万円を超える。これは2003年から過去2年にさかのぼり平均値をとる後方移動平均による算出値だけに、幼稚園から塾、家庭教師など補修教育費や私学、医学部などへの進学となれば、額はもっと増えていることになる。所得格差が広がるなか、保護者間の所得格差が子どもの教育格差にそのままつながらないようにする施策が最も求められる時代に入った。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)