指定廃棄物最終処分場計画 白紙撤回を

2012年10月22日 11:00

 放射性物質に汚染された指定廃棄物の最終処分場候補地として政府が茨城県高萩市の国有林地域を選定したのに対し、草間吉夫高萩市長らが公明党政調会長の石井啓一茨城県党本部代表らとともに21日までに野田佳彦総理らに建設の白紙撤回を求めた。

 石井氏らは申し入れ書を園田康博環境副大臣に手渡し、「突然の通告で市民としては受け入れがたい」と反発。園田副大臣は「しっかり受け止め、しかるべき時に私なりの答えを持っていく」と話したという。

 候補地選定に対する申し入れは野田佳彦総理と長浜博行環境大臣あてに行われ「高萩市内の国有林野を選定したことが9月27日に突然、一方的に通告された」としている。

 また申し入れでは「高萩市は福島原発事故により放射性物質による被害を受け、放射性物質汚染対処特措法による汚染状況重点調査地域に指定されており、日本の将来を担う子どもたちが健康被害の不安を抱き、その有形無形の被害は莫大なものがある」とするとともに「福島第一原発事故の被害者である高萩市民にとって、指定廃棄物最終処分場の選定の進め方や公表のあり方は市民の健気な努力と心情を踏みにじるもので、国としての誠意ある行為とは思えず、不信感を抱くとともに受け入れるわけにはいかない」とした。

 申し入れには9263人の署名を添え「計画の白紙撤回を強く求める」としている。(編集担当:森高龍二)