太りにくい体質づくりへ新素材を開発

2009年05月25日 11:00

 カネボウ化粧品・基盤技術研究所はヨーロッパを中心に使用されてきたショウガ科の香辛料「天国の種(グレインオブパラダイス)」(西アフリカ原産)から抽出したエキスに基礎代謝亢進効果を確認し、太りにくい体質づくりに役立つ「ダイエット素材」の開発に成功したと発表した。商品は今秋にも発売されるもよう。これは熊本県立大学大学院 栄養生理学研究室の鈴木公教授との共同研究。

 研究は「天国の種」エキス摂取による基礎代謝亢進効果について(1)ドリンク飲用試験と(2)カプセル連用試験の2種類を実施。

 ドリンク飲用試験は、健康な女性12人を2群に分け、1群には「天国の種」エキスを配合したドリンクを、もう1群には「天国の種」無配合のドリンクを摂取してもらい、摂取直後から1時間後までの呼気分析による安静時代謝量、体表温(額)などについて調べた。その後、両群のサンプルを入れ替え、同様の試験を実施。その結果、「天国の種」エキスを摂取した群は、安静時代謝の亢進および体表面(額)温度の上昇が観察され、天国の種エキスは、基礎代謝亢進にも有効であることが証明された。

 カプセル連用試験(長期摂取試験)では、健康な女性22人を2群に分け、1群には「天国の種」エキスを配合したソフトカプセルを、もう1群には「天国の種」無配合のソフトカプセルをそれぞれ1ヶ月間摂取してもらい、摂取開始前と摂取終了後の呼気分析による基礎代謝量、身体組成(体脂肪率など)、血液性状などについて調べた。さらに、2週間の休息期間を経た後、両群のサンプルを入れ替え、同様の試験を実施。その結果、「天国の種」エキスを摂取した群は、基礎代謝が亢進(約100kcal)したほか、体脂肪率も減少し、ウエスト周囲径も減少し、体型の改善につながった。血液検査では、摂取前後を通して、肝機能、腎機能等の検査値に変化はなく、異常も認められなかった。

 以上の結果から「天国の種」エキスは、ドリンクの単回使用、カプセルの連用ともに、安静時代謝及び基礎代謝を亢進し、体内の脂肪を燃焼することで体脂肪を減少させる効果を有することが明らかになったという。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:南)