東京スカイツリー1周年の明暗

2013年06月04日 20:34

 東京スカイツリー(東京都墨田区)は、平成24年5月22日から、この22日で、1周年を迎えた。

 開業日の22日は雨と強風にもかかわらず、21万9000人が来場、その人気ぶりを発揮した。1年迎えた今もその人気は衰えず、足元のスカイツリータウンは、1年間で、5千万人を超える来場者の盛況ぶりだ。今や日本人はもとより、外国からも日本のランドマークとして観光客が訪れるようになった。

 地上450メートルにある東京スカイツリーの「展望回廊」。まさに天空の世界へ大勢の人々は訪れ、その眺望の見事さに魅了された人は多いはず。そこは別世界、世界に一つしかない世界なのだ。また地上350mにある展望台「展望デッキ」もまた当初の予想をはるかに上回る人気。入場者数は、634万人当初の予想から2割近く上回る。

 東京スカイツリーの足元「東京ソラマチ」などを含む、スカイツリータウンの来場者も5千万人を超える大盛況。六本木ヒルズ4100万人、東京ディズニーリゾート2750万人をはるかに超える来場者だ。

 スカイツリーを運営する東武鉄道の25年3月期連結決算は、本業の営業利益は、期初予想を150億円上回る525億円。このうち153億円は、スカイツリー効果だという。

 こうした明に対して、暗は地元の商店街。地元商店街からはスカイツリーの一人勝ちと言う声があちこちから聞こえてくる。

 スカイツリー効果を期待した商店街は、ものの見事に裏切られ、客足は激減する一方。スカイツリーの工事中は、大勢の人たちが押し寄せ、「これはいけると期待したのが裏切られ、開業後は8割減」(地元商店街)と嘆く声がしきり。しかし墨田区観光協会によると、伝統工芸品の町工場や老舗の菓子店などツリー効果で、売り上げが伸びているという。

 こうした現象に地元の人の意見も様々だ。冷めた見方をする人と積極的に利用しようとする人の温度差が明暗につながっているとの見方が支配的だ。(編集担当:犬藤直也)