スカイツリーを眺めて海上で女子会

2012年05月01日 11:00

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ヤマハ発動機の会員制マリンクラブ「シースタイル」では、 さらなるマリンファンの裾野の拡大を図るため、昨年より「シースタイルG」という女性限定のプロジェクトを開始。定期的に女性だけのマリンイベントを開催している。

 男性との堅苦しいデートより、気の合う女友達とガールズトークで盛り上がれる「女子会」を優先する。現在の女性にとっては、それはごく当たり前の価値観になってきているのかもしれない。そんな最近の女性たちの行動心理を察知し、いまや多くの飲食店では、女性限定のサービスやオリジナルメニューを用意し、女性消費者層の拡大することは売上を左右する重要なポイントとなっている。

 その動きは旅行業界やホテル業界においても顕著になってきている。昨年、ANAが20から39歳の有職者女性500名に対して実施した「旅行」に関する意識調査の結果によると、74%もの女性が「女子旅に行きたい」と答えている。同社は、その結果を踏まえ、全国47都道府県を擬人化した”旅ガール”が、旅先で「女子会」を開催する映像を公開したり、ユニークな女子会プランを企画するなどのキャンペーンを行い、好評だったようだ。また、ホテル業界でも、ホテル日航東京が、広さ80平方メートルの客室からスカイツリー、レインボーブリッジ、東京タワーを一望しながら女子会を満喫できる「泊まってゆったり女子会」プランを今年1月から発売するなど、各ホテルが、宿泊、スパ、レストラン施設で女子会を提案する様々なプランを積極的に打ち出している。

 そんな中、ヤマハ発動機が昨年から「シースタイルG」という興味深いプロジェクトをスタートさせた。このプロジェクトは、同社がマリンファンの拡大を目指し2006年より展開しているマリンクラブ「シースタイル」の女性会員向けのサービスの強化を図る目的から生まれたもので、昨年は計3回のイベントを開催している。今年はさらに活動を本格化し、海上でのフィッシングや、釣った魚のさばき方のレクチャーまで、女性限定の様々なイベントを予定しているという。

 国内のボート免許所有者は現在、320万人にも及ぶという。この数字は、約38人に1人がボート免許を所有していることを表している。特に2級免許は、国家資格にも関わらず、最短2日間という短期間で取得でき、合格率も97%と高いことから、気軽に試験を受ける人が増えてきているようだ。マリン業界を長年にわたって牽引してきたヤマハ発動機では、この免許取得者層をターゲットにレンタカー感覚でボートがレンタルできる「シースタイル」を設立。全国144ヶ所のマリーナで、手軽な料金でボートをレンタルすることで、若者や女性といったこれまでボートやヨットなどにあまり興味を示さなかった層にもマリンスポーツの醍醐味を体験してもらい、マリンファンの裾野の拡大につながることを期待している。

 若い女性が週末にゴルフやモータースポーツを楽しむのが当たり前になった今、これからはクルーザーを操りマリンスポーツを優雅に楽しむ女性がどんどん増えてくるかもしれない。今年の夏は、東京湾をクルージングし、海の上からスカイツリーや東京ゲートブリッジなど新名所を眺めながら、ガールズトークに花を咲かせる。そんな「海の上の女子会」というスタイルがちょっとしたトレンドになるかもしれない。