日揮のサウジアラビア法人であるJGCガルフ・インターナショナル社が、サウジアラビア国営石油会社(サウジアラムコ社)と住友化学がサウジアラビアで推進する、ラービグ第2期計画向けエチレン製造設備の増設プロジェクトを受注したと発表。受注金額は非公開、納期は2015年だという。
サウジアラムコ社と住友化学の合弁会社であるラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカル・カンパニーは、サウジアラビアのラービグ工業地帯で石油精製・石油化学コンプレックス事業(ラービグ第1期計画)を運営し、これに続いて、ラービグ第1期計画の大規模拡張計画(ラービグ第2期計画)を進めている。JGCガルフ・インターナショナル社が受注したエチレン製造設備増設プロジェクトは、日揮が2008年に建設した第1期計画のエチレン製造装置(年産130万トン)を年産160万トンに拡大するための設備を増設するものであり、ラービグ第2期計画の中核装置の一つになる。
サウジアラビアは、近年自国の産業多角化と自国民の雇用促進政策を積極的に推進している。その政策に寄与することは、サウジアラビアの、強いては中東諸国における日本企業の地位を高める要因となるであろう。また、近い将来大きな市場となるであろうアフリカ諸国への足掛かりとしても、中東での貢献は有効なものと言える。東南アジアの新興国での動向以上に、これらの地域での動向が重要になってくるのではないだろうか。