4月13日~19日まで、第50回目となる科学技術週間が始まる。科学技術について広く一般の人に理解と関心を深めてもらい、日本の科学技術の新興を図る目的で、昭和35年に制定されたもので、期間中は全国各地でイベント等が開催される予定だ。
日本の科学研究費は、米国に次いで世界2位。ドイツ、イギリス、フランス3か国の合計額をも上回る。1990年以来、科学研究費の対GDP(国内総生産)比率で3.55%と世界1位。また、科学者数も米国に次いで世界2位である。
しかし、政府負担でみると、GDP比0.68%と先進国の中でも最も低い。つまり民間が日本の科学研究費の8割近くを負担していることになる。政府負担ではなく民間負担が多いということは、開発研究が多く、大学なので行われる基礎研究が少ないということを表す。民間は、応用研究、つまり経済活動に直接関係のある商品開発や研究に資金を出すことが多いので、大学など基礎研究を行う教育機関には、アメリカなどに比べて投じられる予算が圧倒的に少ないことになる。大学などの教育機関に投じられる予算の少なさが、基礎研究の水準を下げ、国際的にみた日本の大学のレベル低下へと繋がっていると考えられる。
昨年、4名もの日本人研究者がノーベル賞の受賞し、その偉業に日本中が沸き上がった。日本の科学技術の力が世界から注目されている今だからこそ、政府が、本気になって基礎研究に力を入れ、大学などの教育機関に投じる予算を増やさなければ、真の科学技術創造立国として未来を切り拓くことは難しいように思える。