気象庁 5日先までの台風進路予報が可能に

2009年04月03日 11:00

 気象庁は、少しでも台風による災害被害を減らすために、4月1日から「5日先までの台風予報」を開始すると発表した。これまで3日先までの予報しか出していなかったが,コンピューターによる数値予報技術の進展に伴い、3日後、4日後までの進路予報が可能となった。

 周りを海で囲まれた島国である日本は、毎年多くの台風が上陸する。台風は、激しい雨や風、そして高潮を発生させるため、直撃を受けた地域は大きな被害を受けることも多い。平成16年度には、大型の台風が次々に日本各地を直撃し、死者・行方不明者200人以上という多大な被害をもたらした。そこで、気象庁では、コンピューターなどによる数値予報技術をアップさせることで、予報精度を上げることに努めてきた。

 台風予報は、気象衛星や気象レーザー、船舶等などから送られてくる観測データをスーパーコンピューターが数値化し、それを予報官が分析したうえで予報を立てていく。ここ数年で、スーパーコンピューターの数値予報技術が劇的に進歩したことで、5日先まで、的中確率の高い台風進路予報が可能となった。

 「5日先までの台風進路予報」は一日4回出されるが、予測円という台風の進路のみの予測情報である。4日目、5日目の進路予報の確率は約70%。台風の強度や大きさといった台風の性質に関する予報は、今までどおり3日先まで予報で知ることができる。予報技術の進歩で、さらに2日先まで台風の進路を予測することができるようになったことで、予報進路にあたる地域の人々は、早めに準備をすることができ、台風による被害の減少に繋がるのではないかと期待されている。