民主党は「次の内閣」の閣議で党としての「住宅ビジョン」(中間報告)をまとめた。
木材住宅産業を「地域資源活用型産業」の柱とし、地域の自立と振興を推進。「地域に息づく家に使うべきは、やっぱり国産材であり、間伐が遅れているところは集約化施業によって山村を活性化し、近くの山で採れた木で家づくりができるようにする」としている。また、伝統工法を継承する技術者、健全な地場の建設・建築産業を育成するとともに、「腕」が客観的に分かるしくみを作り、消費者が安心して注文できるようにする方針。
今回示した中間報告で、民主党は、住まいに対する捉え方として「ライフスタイルとライフステージに合ったマイホームの持ち方(住まい方)によって、より豊かな人生をおくれる住宅政策への転換が求められている」との認識を示し、「孤独死といった悲しい事件が起こらない、人と人が交流しやすく、快適に過ごせる規模の集合住宅のあり方など、新しい価値観の形成も必要」としている。
また、高齢者等が安心して快適に自立した生活を送ることのできる住環境の整備や生活・住宅困窮者にとって、公営住宅は重要なセーフティネットであり、高齢者や障がい者、子育て世帯にも対応できるよう、賃貸住宅の機能の充実、賃貸市場の活性化、家賃補助等の支援策を講じ、在宅での医療や介護を促進するなど社会的入院の解消を図ることをあげている。
民主党では、こうしたビジョンを実現するために、建築基準法などの関係法令の抜本的見直しを図るとともに、住宅建設に係る資格・許認可の整理・簡素化、関連組織の整理・縮小に取り組み、きめ細かな住宅政策を推進するため、必要な予算をすべて地方自治体に一括交付する、という。
具体的な政策として、新築住宅については、長寿命・耐震・断熱・バリアフリーで建て替えずに、長期の使用に耐える仕様を基準とする。中古住宅のリフォーム・改築も推進する。あわせて、高齢者が住みなれた家に長期間居住できるよう、トイレや浴室の改良、屋内の段差の解消、階段の勾配緩和などのリフォームを重点的に支援する。ソーラー(太陽光)パネル設置に助成し、電力の電力会社による買い取り制度を拡充する。低炭素社会へ向け、国産材を使った木造の長寿命住宅を推進するなどをあげている。
また、高齢者、障がい者、子育て世帯も住みやすい、優良で多様な賃貸住宅を整備。家賃補助や所得控除などで賃貸居住者に対する税制支援を創設するとしている。