定期昇給維持 従業員への最大限の配慮結果

2009年03月23日 11:00

 御手洗冨士夫日本経済団体連合会会長は、春季労使交渉集中回答に対し「経営側が定期昇給を維持したことは、従業員に最大限配慮した結果であると思う」と評価するとともに、定期昇給を先延ばしする企業が出ている現状についても「実施を一時的に先延ばさざるをえなかった企業があるにせよ、定昇のシステムそのものを維持したことは評価すべき」との見解を示した。

 また、賞与について「賞与は業績に連動する面が強いので、一概には言えないが、各労組がミニマムと設定している4ヵ月を軸に、それを上回る回答が多かったことは、想定の範囲内。今回の集中回答が消費に与える影響は、完全には否定できないが、累次の経済対策が次第に効果を発揮してくる。今回の結果、景気がさらに後退するということにはならないと思う」と語った。

 雇用問題については「時間外労働の削減や時短、無給休暇の設定など、日本型ワークシェアリングとも言える取り組みが、実態としてすでに行われている。労使ともに危機感を共有し、雇用の安定に真剣に取り組んだことは今回の春季労使交渉の大きな成果だったと思う」と話した。