活況のエイジングケア市場、ロングセラーを生み出すのは?

2013年06月08日 19:46

 女性にとって気になるのが顔の印象年齢。加齢により発生するのが毛穴、涙袋、そしてほうれい線のたるみと言われている。これは「ハリ感」や「弾力」が無くなり、「皮下脂肪」が蓄積することが原因とされている。なかでも年齢とともに深く刻まれていくほうれい線は口元にあるだけで、顔の雰囲気がガラリと変わり老け顔になると多くの女性の悩みの種となっている。

 このような状況下、各企業は様々なエイジングケア製品を開発、登場させている。

 資生堂 はアクアレーベルブランドから「ローヤルリッチエッセンス」を発売している。これはエイジングケアのための発酵ローヤルゼリーGLを高配合しており、角層の奥までうるおいを届け、若々しいハリとつやあふれる肌に導くという。また、カネボウは年代別のエイジングケアブランドとして、30代後半から40代向けの「エビータファースト」と、50代向けの「エビータ」の2ラインを発売し、それぞれのターゲットから好評を得ている。

 さらに富士フイルム は、エイジングケアを目的としたスキンケアシリーズ「ASTALIFT(アスタリフト)」が支持を得ており、2013年3月からは新ラインアップとして、同社開発の紫外線防御剤「D-UVガード」を配合した日中用美容液「アスタリフト パーフェクト UVプロテクター」を登場させるなど、ラインアップの充実を図っている。ミツバチ産品のパイオニアである山田養蜂場は年齢を重ねると気になってくる「たるみ」をケアするリフトアップ化粧品「RJスペシャルリフト」を11月より発売。同製品はローヤルゼリーエキスをはじめ、5種のコラーゲンやヒアルロン酸、プラセンタなどのエイジングケア成分を配合し、肌の内側と外側から弾力のある若々しい肌をサポートするという。

 加齢をお手入れするという意味のエイジングケア。現在、スキンケア化粧品市場全体は縮小しているが、エイジングケア市場は2010年が前年比0.6%増の4,090億円、2011年も同0.6%増の4,115億円が予測されるなど拡大が続いている(富士経済調べ)。化粧品市場は全体的に飽和状態にあるようだが、エイジングケア市場はここ数年、堅調な伸びを見せているようだ。

 女性が美しくなりたいと願うのは年齢を重ねても同様であることは前述のアンケートから見ても一目瞭然である。今後も様々なエイジングケア製品が登場すると考えられるが、その数が多くなればなるほど、比較対象が増え、消費者の購買意欲は高まるだろう。しかし一方で、個々の製品がオリジナリティを明確にし、他のエイジングケア製品との差別化を打ち出さなければ、長く愛用されるロングセラー製品にはなりにくい。各社がエイジングケア製品の定番を確実に生み出すことが、この市場のさらな活性化につながると考えられる。