日本経済団体連合会は国民全体で支えあう持続可能な社会保障制度を確立するための「安心・安全な未来と負担の設計」を2月17日、提示した。少子高齢化と人口減少により、2055年には現役世代1・3人で1人の高齢者を支えることになり、世代間扶養を基軸とする現行の方式では「社会保障制度の持続可能性と経済活力との両立は困難」としており、「中長期的な展望の下で通用する制度を構築するとともに、制度横断的に見直しを行っていくことが求められる」としている。
この中で、最も重要な財源の裏づけについては、2009年度から2015年度までを第1段階と位置づけ、この間に、基礎年金国庫負担割合の引き上げを3分の2にまで引き上げるとともに、医療・介護の緊急対応や少子化対策の財源として、2015年度までに消費税換算にして「5%程度が追加的に必要」としている。経団連は安定的な財源確保の手段として、主に消費税に求めており、プランでは2015年度での消費税率10%を示すものにもなっている。
また、2016年度から2025年度までの間を第2段階と位置づけ、年金については2025年度を目途に税方式への完全移行をめざし、基礎年金の公費負担割合を段階的に引き上げ、医療・介護については、高齢者医療・介護の公的負担割合を一層引き上げていくこととする。この場合には、2025年度で追加的に必要になる公費は、「現状に比して消費税率換算で12%程度になる」としている。