農林水産省は食料自給力の強化のための取り組みと食料自給率50%のイメージをまとめ、12月2日、公表した。新たな食料・農業・農村基本計画の策定にむけて、議論を進めるための材料のひとつとしてイメージしたもので、国内食料供給力(食料自給力)の強化と消費、生産の両面での取り組みを図ることにより、現在の40%の自給率を10年後には50%にするというもの。
イメージでは、食料自給力強化のための取り組みとして1人あたりの米の消費量を年間にして平成19年度の61キログラムから、概ね10年後には63キログラムに拡大するように努めるとしているほか、米粉の生産を19年度の1万トンから10年後には50万トンに、飼料用米の生産も10年後には19年度のゼロから26万トンに、小麦(裏作麦)も19年度の91万トンから10年後には180万トンに、大豆については23万トンを50万トンに生産拡大できるように取り組む。
このほか、野菜の生産では19年度の1242万トンを10年後には1422万トンに、牛乳・乳製品も802万トンを928万トンに拡大する。
こうした取り組みを進めることにより、耕地利用率を93%(平成19年度)から10年後には110%に高める。
また、未利用地の有効活用では、耕作放棄地からの営農再開(約10万ヘクタール)、調整水田、地力増進作物付地などへの新規需要米などの作付(20万ヘクタール)、水田裏作における麦類の作付(36万ヘクタール)などを図る。
これらの実現には、国際情勢の変化に対応した農業へ、農地の流動化、集約化の環境づくりをはじめ、担い手の問題、技術の確保、経営の安定化策など、解決すべき課題が山積している。