農村の役割の中で、特に重要な役割は何かを内閣府が聞いたところ、回答者の65・8%が「食料生産の場」と捉えていることが、食料・農業・農村の役割に関する世論調査で分かった。
また、回答者の2人に1人は日本の農業に対し「食料を輸入に頼らないでよいように、より多くの食料を生産してほしい」(53・1%)「品質や鮮度が良く、おいしい食料を供給してほしい」(50・5%)と期待していた。
調査は無作為抽出により、全国の20歳以上の男女5000人を対象に今年9月11日から28日までの間に調査員が個別面接で聴取する方法で行われ、3144人から有効回答を得ている。
それによると、「食料を輸入に頼らないでよいように、より多くの食料を生産してほしい」との回答は平成8年9月の調査に比べ、8・5ポイント、「品質や鮮度が良く、おいしい食料を供給してほしい」は10・0ポイント増加。輸入農産品の農薬残留問題など、輸入農産品に対する安全性への不安が国内産食料への期待感として表われていた。
また、農村の持つ役割について、どのようなものが特に重要と思うかでは、65・8%の人が「食料を生産する場としての役割」をあげ、次いで「多くの生物が生息できる環境の保全や良好な景観を形成する役割」(48・9%)が続いた。また、「水資源を貯え、土砂崩れや洪水などの災害を防止する役割」をあげた人が29・6%、「伝統文化を保存する場としての役割」をあげた人が18・2%あった。