菅義偉官房長官は10日の記者会見で、週末に行われた米中首脳会談についての受け止めを記者団から聞かれ「地域や国際社会の平和と安定の観点からも、わが国としては歓迎したい」と述べ、米中首脳会談が地域の平和・安定に繋がると評価した。
オバマ米大統領と習近平中国国家主席との会談は2日間にわたり行われた。これに菅官房長官は「日米は米中首脳会談開催前に緊密に意思疎通を図っており、アメリカはわが国の立場を踏まえながら対応して頂いたと理解している」と述べた。
その上で、菅官房長官は「引き続き、日米同盟の強化につとめていく。また日中関係において、個別の案件(尖閣諸島をめぐる問題など)が日中関係全体に影響を及ぼさないよう、戦略的互恵関係へ、その原点に立ち戻るよう努めていきたい」とした。
米中首脳会談ではオバマ大統領が尖閣を巡る日中関係の緊張を和らげるよう提起したのに対し、習主席は日本の姿勢をけん制したとされており、領有権をめぐり日中関係はギクシャクした状態が続いている。
特に、魚釣島など尖閣3島を20億円超を投じて国有化して以来、中国公船が頻繁に接続水域を航行するなど緊張が続いている。
日本政府は尖閣諸島は日本固有の領土であり、日中両国間に領有権を巡る問題は存在しないと断言しているが、中国は反発している。尖閣をめぐる領有権については、佐藤正久防衛大臣政務官が、最近の自身のツイッターで「米国で尖閣諸島を沖縄本島とともに沖縄県一体として日本に返還する時の米政府内のやりとりの記録が見つかった」とし「尖閣諸島の領有権が日本にあると米政府が認めていた証左だ」と書き込んでいる。
日本が領有権を有していることを新たに裏付ける資料が出てきたのであれば、中国に対して提示していくとともに、歴史的な正しい理解と解決を求めていくべきといえよう。(編集担当:森高龍二)