困難を抱える子や若者への支援は「行政の責務」

2008年11月17日 11:00

 地域における子ども、若者が抱える困難な状況の打開や社会不適応などの様々な問題のサポートのための仕組づくりのために、子育てから就労支援に至る関係機関のネットワーク強化の方策等について、内閣官房教育再生懇談会担当室長の下で検討を進めてきた「子どもと若者総合支援勉強会」(田村哲夫座長)が、このほど「早急に確立されるべき総合支援策」をまとめた。

 勉強会は各地域、国における体制、施策の充実を推進するため、子どもと若者総合支援法など法的措置の検討を含めた早期の取り組みが必要で、「困難を抱える子ども、若者に対する支援を、地方公共団体及び国の責務として明確化すること」を期待している。

 また、実効性をあげるため、「各地方公共団体において、困難を抱える子どもや若者に対する支援を包括的に担当する責任者を置くとともに、そのもとに、総合的な窓口(例えば、子どもと若者総合支援センター等)を設置することや、その対象者1人1人に対して、長期的・継続的な支援ができるよう、ユースアドバイザーやキャリア・コンサルタント、スクールソーシャルワーカーなどの専門的な人材を置くことを提案するとともに、この総合的な窓口には国の所管する機関やNPO等も含め、地域内の関係機関に対して子どもと若者支援のために必要な協力等の措置を求めることができることとすべき、としている。また、国においては、省庁横断的な一元的組織を整備するとともに、各地方公共団体での取り組みを促進させるための支援を求めている。

 厚生労働省や文部科学省、警察庁などの調べによると、平成19年時点での国内におけるニート人口は約62万人、フリーター約181万人、不登校の児童生徒年間13万人、高校中退者年間約8万人、刑法犯少年や刑法触法少年の検挙や補導人数年間12万人に上っており、個々の問題として捉えるのでなく、社会の問題として、解決に向けた取り組みが急がれている。