日本経済団体連合会は停滞の度合いを強める日本経済の状況を踏まえ、こうした経済情勢を打破するための緊急提言をまとめ、発表した。
提言では「政治の強いリーダーシップにより、高速道路料金の引き下げをはじめ、資源価格の投機的高騰の抑制、住宅取得促進減税、省エネ・環境対応製品の普及のための税制措置」など9つの柱をあげている。特に、高速道路料金の引き下げや資源価格の投機的高騰の抑制は福田改造内閣の下で、即決、実行を求める民間の声は高い。
経団連では「原油・原材料など資源価格の高騰、米国を中心とする世界経済の減速などにより、わが国経済は停滞の度合いを強め、国民の間には閉塞感が漂っている。こうした状況を早急に打開するとともに、成長戦略につなげていくことが今求められている」と緊急提言に至った背景を説明。それとともに、「安心で持続可能な社会保障制度を再構築し、活力ある経済社会を実現するために、消費税の引き上げを含む税・財政・社会保障制度の一体改革の断行が不可欠」と税・財政・社会保障制度の一体改革を求めている。
緊急提言した内容は以下の9項目。(1)原子力の活用促進(設備利用率の向上)(2)中小物流・農林水産業者の燃料費高騰に対する緊急避難的な補助。高速道路料金の引き下げ(3)資源価格の投機的高騰の抑制(4)世界最先端の電子行政・電子社会の構築(5)魅力ある農業経営のための基盤強化(6)子育て世帯を中心とする所得税減税(7)住宅取得促進減税(8)省エネ・環境対応製品の普及のための税制措置(9)EPA・FTA締結交渉の加速、WTO交渉の最終合意に向けての一層の努力。