牛肉、うなぎ、ワカメ、ふぐ、アジの干物から地域特産のお土産物まで、食品偽装や産地偽装が相次ぎ、国民の「食」への信頼が低下し続けている。このため、「食」に関する消費者の信頼回復は食品業界全体のテーマにあがっている。ミツバチ産品を製造販売している山田養蜂場は、企業と消費者との信頼関係はコミュニケーションを深めることからはじまると、自社の取り組みについて様々なメディアを通じて情報公開している。
一口にはちみつと言っても、様々なはちみつが流通している。一般的に、熟成していない水分の多い状態のはちみつを減圧濃縮し、糖度を上げる方法がとられることがあるが、山田養蜂場では巣内でミツバチが完熟させた糖度の高いもののみを採取している、という。また、輸送・保管は20℃、充填工程でも45℃を超えない温度管理をし、本来の風味を保たせる工夫を行っている。
純粋なはちみつは、花の種類にもよるが、遅かれ早かれ結晶するものである。しかし、消費者からみると結晶したはちみつは不純物が混ざっていると誤解されやすく、人気がない。そのため、メーカー側は売りやすくするために結晶核となる花粉を取り除いてしまう場合が少なくない。しかし、はちみつは花粉由来のビタミン・ミネラルなどを多く含むことから、同社では特殊なフィルターを使い、栄養源である花粉を残している。
同社の研究拠点『みつばち健康科学研究所』の検査は、10億分の1濃度の検出能力(25メートルプールいっぱいの水に、農薬が1滴落とされた場合も見逃さない)を有しており、世界で最も厳格とされるEU統一前のドイツはちみつ純正法を参考にして独自の品質基準を設け、安全性の確保と品質保証に取り組んでいる。
「自然のままのはちみつをお届けするために、『何も壊さない。何も加えない。』ことを信念として、頑固に誠実に取り組んでいます」と山田養蜂場では話している。ちなみに同社の国産「里山のれんげ蜂蜜」は1kg瓶入り7,035円(税込)。