文化庁が行った平成19年度「国語に関する世論調査」の結果、言葉遣いについて、8割弱(79・5%)の人が「今の国語は乱れている」と感じていることが分かった。特に20・2%の人は「非常に乱れている」と感じていた。また、「煮詰まる」という言葉をみると、16歳から19歳、20代、30代では「結論が出せない状態」と意味を解している人の方が多くおり、本来の意味の「結論が出る状態」は50代、60歳以上で多かった。40代では意味の理解を2分していた。
調査は全国の16歳以上の男女3000人を対象に、個別面接方式で行われている。
それによると、国語力向上のために国や自治体に期待することでは、66・7%が「学校教育での国語教育の充実を図る」をあげ、学校教育に期待する人の多いことが分かった。さらに、50・5%は「学校全体を良い言語環境になるようにする」。27・9%が「質の高い国語の教員を養成する」などをあげていた。
慣用句についてみてみると、「卑劣なやり方で、失敗させられること」を「足下をすくわれる」と思っている人が74・1%あり、本来の言い方である「足をすくわれる」(16・7%)を大きく上回っていた。同様に「論理を組み立てて議論を展開すること」を「論陣を張る」(25・3%)と本来はいうのだが、「論戦を張る」と回答した人の方が35・0%と多かった。