社員食堂の使用済み食用油をトラック燃料に

2008年06月25日 11:00

 プロジェクト運送(東京都八王子市)は、OKIの社員食堂を運営するジーオーフードサービスと使用済み食用油の買取り契約を結び、社員食堂から排出される天ぷら油をバイオディーゼル燃料に精製し、今年4月からトラック燃料にリサイクルし、活用している。

 バイオディ-ゼル燃料は、今までゴミとして捨てられていた植物性の廃食油からつくることができ、バイオマスエネルギーとして、昨今注目を集めている。主な特長は、(1)バイオディーゼル燃料を使用したとき発生するCO2は、植物性油の原料となる菜種や大豆などの食物が、成長過程において、光合成によりCO2を吸収するため、ライフサイクルでみるとCO2を増加させておらず、カーボンニュートラル(実質ゼロカウント)といえる。(2)軽油にくらべ、引火点が高く、燃焼中に酸素を含むため、完全燃焼を促進し、黒煙の排出量は軽油の3分の1となる。(3)アトピーや酸性雨が原因といわれる硫黄酸化物(SOx)は排ガス中にほとんど含有しない。(4)燃料を軽油からバイオディーゼル燃料に変える場合は、陸運局で車検証に「廃食油燃料併用」と記載変更の手続きを行うだけ。(5)バイオディーゼル燃料は炭化水素油でないため、純度100%であれば、課税対象外となる、など。

 同社によると、使用済み天ぷら油の回収量は349リットルで、うちバイオディーゼル燃料精製は314リットル、精製率は90%。残りの35リットル(10%分)は、農家のたい肥や石鹸として利用したという。

 CO2を軽油で比べた結果、軽油1リットルあたり2・64kgのCO2排出換算では、軽油314リットルで、月間CO2排出量は828・96kg、年間では9947・52kgになるが、バイオディーゼル燃料ではCO2排出量はゼロだった。