公正取引委員会はハウス食品が六甲のおいしい水のうち、平成17年1月ころ以降に販売している容量2リットルの商品について、取引先販売業者を通じて一般消費者に販売する際に、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示があった、として6月17日、同社に対し(1)一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示すものであった(2)再発防止策を講じ、役員や従業員に周知徹底する(3)今後、同様の表示を行わないの3点について、命令した。
調べによると、今年1月ころまで、商品の容器に「花崗岩に磨かれたおいしい水 六甲山系は花崗岩質で、そこに降った雨は、地中深くしみ込み、幾層にも分かれた地質の割れ目を通っていく間に花崗岩内のミネラル分を溶かし込み、長い時を経て、口当たりの良い、自然なまろやかさが生きている良質の水になります」と記載することにより、あたかも、当該商品の内容物が六甲山系の花崗岩の割れ目を通ることにより当該花崗岩のミネラル分が溶け込んだ水であるかのように表示していたが、実際には「商品の内容物は六甲山系の花崗岩の割れ目を通ることにより当該花崗岩のミネラル分が溶け込んだ水であるとはいえないものであった」としている。
ハウス食品は「対象商品は賞味期限が2006年11月23日から2010年1月17日までのもので、当社は六甲山地の花崗岩層に接触した雨水が地下水流となり、六甲工場周辺地下にまで流れ込んでいるという専門家の見解もふまえ、その科学的根拠等を資料で示し、指摘を受けた表記が一般消費者に対して著しく優良であると誤認させるものではないとする考えを数回にわたり説明し、理解を求めてまいりました。しかしながら、公正取引委員会において、合理的根拠を示すものではないと判断され、今回の排除命令に至ったものです。製品の表記につきましては適正な記載に万全を期してまいりましたが、指摘を受けたラベル表記につきましては、本年1月18日製造分より削除しております。安全性には全く問題はございません」と経緯と対応について説明した。