国家公務員の定年退職者のうち、男性の65%、女性の48%が何らかの職に就いており、退職者の約7割は65歳以上まで働きたいと労働意欲を持っていることが人事院の平成19年退職公務員生活状況調査で分かった。前回(平成16年)に比べ、再就職者は男性で5%、女性で10%増えていた。また、退職者の約7割は65歳以上まで働きたいと労働意欲を持っていた。また、「退職する前にもっと知っておけば良かったと思う知識等について」は2人に1人(45・6%)が「年金、保険などの知識」をあげていた。
この調査は人事院職員福祉局が国家公務員の定年退職後の再任用や民間企業などへの就業状況、生活状況を把握し、高齢者雇用や退職管理、年金制度などのあり方の検討資料にと2年から3年毎に実施しているもの。
平成18年度に60歳で定年退職した一般職の国家公務員3408人を対象に昨年10月から11月にかけて実施したもので、2803人から有効回答が得られた。性別では男性が83・7%、女性が17・2%、平均勤続年数は38・4年。有効回答者の退職時の給与制度適用区分では給与法適用職員が2204人(78・6%)と最も多く、特定行政独立法人職員が278人(9・9%)で次に多かった。
それによると、調査時に仕事に就いている人の就業先は国が約45%で、そのうちの約75%が再任用になっていた。自営業は13%。定年退職者全体に占める再任用者の割合は21%で、前回調査時(16年)より4%増加していた。
働きたいと思った理由は男性の75%、女性の64%が「生活費が必要」と答えていた。退職前に書面や面談で再任用希望調査が実施されたかどうかでは8割弱で実施され、再任用希望者のうち、約8割が再任用されていた。その3分の1はフルタイム勤務になっている。再任用されなかった理由では「希望勤務地、官署にポストや定員がなかった」とするものが最も多く、27%。再任用を希望したが途中で辞退した人では「民間企業で働く、あるいは働きたい」が約25%。再任用を希望しなかった理由の人が筆頭にあげた理由は「自分の再任用で新規採用が抑制されるなど、組織の迷惑になる」(29・0%)だった。
民間企業などへの再就職を行った人の職種は管理職を含め事務系業務が約4割を占めていた。仕事を探した方法としては「所管府省庁の斡旋・紹介」が37・9%で最も多く、「先輩・友人・知人の紹介」が31・4%で続いた。「ハローワークや人材紹介所などの斡旋」は前回調査(16年)より5%増えたものの1割にとどまっていた。
ちなみに退職する前にもっと知っておけば良かったと思う知識等については、45・6%の人が「年金、保険などの知識」をあげていた。