内閣府自殺対策推進本部が実施したアンケートの結果、不安や悩みを受け止めてくれる人がいない、という回答が6・3%と50人に3人がいない状況であることがわかった。特に東京都区部では12・5%が「いない」と回答しており、都会に孤独な人の多いことが浮き彫りになった。また、性別では女性(3・3%)より男性(9・2%)の方が「いない」とする人が多かった。また、日常生活での悩みやストレスを解消するために行うことでは「人と話をする」が49・3%、「テレビや映画をみたり、ラジオをきいたりする」が37・4%、「買い物」が36・9%、「寝る」が35・6%、「食べる」が33・4%、「お酒を飲む」が29・0%で、性別でみると、「人と話をする」「買い物」「食べる」は女性に、「お酒を飲む」「スポーツ」「たばこを吸う」「ギャンブル」は男性に多かった。ストレスから過食に走る女性、酒やギャンブルに走る男性の傾向など、性差が窺えた。
調査は今年2月21日から3月9日の間に、全国の20歳以上の男女3000人を対象に調査員がアンケート用紙を留置し、後に密封回収したもので、有効回答は1808人だった。
それによると、不満や悩み、つらい気持ちを受け止め、耳を傾けてくれる人がいるかの質問に、受け止めてくれる人が「同居の親族、家族」とした人が69・1%、「友人」が51・9%、「同居の親族、家族以外の親族」が27・4%となっており、「近所の知り合い」をあげた人は8・3%にとどまった。
また、物質的・金銭的な援助をしてくれる人がいるかどうかでは不安や悩みを聞いてくれる人と同様に「同居の親族、家族」をあげた人が65・4%と最も高く、「同居の親族や家族以外の親族」が38・1%、「友人」が14・0%、「近所の知り合い」が2・2%だった。「いない」という回答が11・4%と10人に1人が頼る人のいない状況におかれていた。
悩みを抱えたときやストレスを感じたときに誰かに相談したり、助けを求めたりすることは恥ずかしいことだと思うかでは、「そうは思わない」が67・4%、「どちらかというとそうは思わない」が11・9%、「そう思う」が3・4%、「どちらかというとそう思う」が12・2%で、相談したり、助けを求めるのに恥ずかしいと思わない人が79・3%を占めた。性別では「そう思う」「どちらかというとそう思う」と答えた割合は男性で高く、「そうは思わない」は女性で高くなっており、メンツや体裁を気にする男性と現実的な女性の差が窺える結果になっていた。