日野自動車、ケニア市場に参入 豊田通商との協業で

2013年06月24日 07:06

 ケニアというとどんなイメージを持つだろうか。アフリカ、赤道直下にある国。それ以外の印象は持ちにくいのではないだろうか。ケニアの首都、ナイロビの語源は、マサイ族の言葉で「冷たい水」からきたといわれている。アフリカと「冷たい水」。日本人の私たちにはちょっとミスマッチな感じがする。しかも国土のほとんどは年間平均気温が19℃でますます意外だ。美しいビーチや珊瑚礁もある。赤道直下だから暑いのではないかというステレオタイプの考えはあっさり裏切られる。特にナイロビは標高1700メートルの高原に位置していて、空気も乾燥しており、日本ならさしづめ、北海道や夏の軽井沢といったところだろう。

 日野自動車<7205>は、豊田通商<8015>と協業し、ケニアでトラックの販売を開始する。6月6日(日本時間7日)、ケニアの首都ナイロビに新設された販売・サービス拠点で記念式典を実施した。式典にはケニアの産業化・企業開発省のアダン・アブダラ・モハメド長官、在ケニア日本国大使館の高田稔久大使をはじめとする多くの来賓が招かれ、導入車両の発表と新拠点の完成披露が行われた。日野の白井社長は「日野はケニアを非常に重要な市場と考えています。トヨタケニアを通じ販売からアフターサービスまで、一貫したお客様満足度向上を目指します」と述べ、豊田通商の浅野副社長は「今回の参入はケニアのトラック市場を活性化し、同国政府が掲げる国家ビジョンVision2030の実現にもつながるものと確信しています」と話している。

 ケニアは東アフリカ地域の中核国として注目を集めており、東アフリカ共同体(EAC:East African Community)による域内経済発展と共に国内経済が急成長し、商用車需要も今後の成長が見込めるという。まずは海外市場での日野の主力車種である中型トラック「HINO500シリーズ」を導入する。販売は同国で自動車販売の実績とネットワークを持つ豊田通商子会社のトヨタケニアが担い、2013年度の販売台数は300台を計画している。現地企業に委託し、ノックダウン生産による供給となる。(編集担当:久保田雄城)