国土交通省では昨年1月20日に兵庫県宝塚市にあるカラオケボックスで発生した火災により8人が死傷した事件を受け、全国の特定行政庁にカラオケボックスに関する調査を依頼。その結果を4月18日までにとりまとめ、公表した。
それによると、今年3月末現在、カラオケボックスに利用されている建築物は全国で6416件あり、このうち2943件、全体の45・9%が建築基準法令に違反していた。このため、行政指導を行った結果、指導内容に基づき是正がされたものは1568件と、是正指導された件数の53・3%にとどまっていることがわかった。
国土交通省では「引き続き、特定行政庁に対し違反是正に取り組むよう要請する」。
違反内容で最も多かったのは、非常用照明装置の未設置で2007件、排煙設備の未設置が1636件、防火区画に関する違反が650件、内装制限に関する違反が302件だった。
さきの兵庫県でのカラオケボックス火災事件では3人が死亡、5人が負傷し、カラオケ店元経営者に神戸地裁は「防火意識に乏しく、防火体制もずさんで、結果は極めて重大」と禁固4年の判決を下している。