汗の臭い10分で8割抑制の新素材

2008年04月07日 11:00

 東レは土井隆雄飛行士が着用するために開発した宇宙船内用日常服の素材を一般衣料向けに派生した新素材『ムッシュオン』を開発し、スポーツウェア用のニットや織物として実用化した。2009年春夏向けに販売を開始する。

 ムッシュオンは、汗によって発生するアンモニア(NH3)などのにおいを10分間で80%以上抑制でき、速効性のある消臭効果と抗菌・防臭効果を持つ薬剤で、発生したにおいを素早く抑制するとともに、においの発生源となる細菌の繊維上での増殖を抑制する。また家庭用洗濯での耐久性にも優れている。スポーツウェアや学生の体育衣料、ユニフォームなどでの活用が考えられる。

 同社は北京オリンピックを目前に控え、スポーツへの注目が高まるとともに、様々な機能を持ったスポーツウェアへの注目も高まっており、スポーツウェアに求められる汗処理機能の中で、従来は吸汗速乾が最も重要視されてきたが、スポーツを日常生活に取り入れる人が多くなっている現在では、スポーツの後でもスムーズに日常生活に戻るため、吸汗速乾だけでなく、汗のにおいを抑制するニーズも高まっており、高い吸汗速乾性を持つ合繊素材に消臭機能を付与することが課題だった、と話している。