長崎県佐世保市で昨年12月14日に発生した散弾銃乱射による死傷事件を機に、警察庁鉄砲行政の総点検プロジェクトチームが鉄砲保有の17万人から30万丁の総点検を行った結果、280人、378件の銃刀法および火薬類取締法違反が発見された。警察庁では、それぞれの事犯に対し刑事処分、行政処分の手続きを進めている。また、昨年12月15日から今年3月16日までの総点検期間中に、警察の指導などもあって、5652人から8636丁分の許可証の自主返納があったとしている。
それによると、全国の警察署で15万3607人が所有する31万8863丁の猟銃などの検査が実施された。内訳は散弾銃所有者11万6762人(24万6313丁)、ライフル銃2万8914人(4万356丁)、空気銃7931人(3万2194丁)。実施率は99・7%で、「総点検期間中に所有者が入院していたなどの理由で点検できなかった分については現在も継続して点検実施している」としている。
また、建設用びょう打銃や救命索発射銃、麻酔銃、もり銃、けん銃など、猟銃以外の鉄砲についても3万707丁を対象に検査を実施。実施率は97・1%で、残り分についても現在点検を継続している、としている。
なお許可証の返納については、眠り銃になる可能性がある(返納理由の21・0%)、病気など(18・9%)を理由にしているものや、刑事事件被疑者として検挙された(17・2%)、高齢だから(13・0%)などがあがっていた。