昨年中に発生した少年による殺人、強盗、強姦など凶悪犯を含む刑法犯検挙人数が10万人を超える一方で、少年が刑法犯の被害者になった犯罪が30万4677件発生し、平成18年(30万9104件)に比べ、微減したものの、少年が被害者になる事件が1日平均835件あまり発生していたことが、警察庁のまとめで分かった。また、少年被害者の44%が高校生だった。
それによると、少年が犯罪の被害者になった内訳は殺害案件1345件、強盗被害445件、強姦被害770件、粗暴被害1万5775件、窃盗被害26万550件、強制わいせつ被害4021件などになっていた。
学職別でみると、高校生が被害に遭うケースが最も多く、13万4047件。中学生6万5532人、大学生3万4303人、小学生2万4790人、未就学児童も527人いた。
このほか、児童虐待事件での検挙件数は300件、323人が検挙されており、被害児童は315人になっていた。虐待により37人が死亡していた。
また、児童買春事件や児童ポルノ禁止違反事件でも1914件、1361人が送致された。このうち、児童買春事件での送致は1347件、984人で、送致された者の6割は出会い系サイトが誘引になっていた。また、被害に遭った児童数は1160人と1000人を超えている。児童ポルノ禁止違反での送致は567件、377人で、被害に遭った児童数は304人になっていた。
同庁では「児童虐待や児童ポルノ事件の被害も依然高水準で推移しており、少年の非行防止とともに保護の両面で予断を許さない状況にある」としている。