健康茶市場はここ数年、安定した人気を維持するカテゴリーで、なかでもカモミール、ローズヒップなどハーブティーの人気は安定しており、旬の素材であるマテ茶の登場などで市場が活況している。
飲料業界各社もこのハーブティーやマテ茶には注力しており、様々な商品展開を行っている。例えばダイドードリンコは、やさしい香りと酸味がリラックス気分を引き立てるフルーツハーブティー「ALOALO」シリーズを2011年より展開。フルーツハーブティーの豊かな香りと独特の味わい、可愛らしいパッケージ、カロリー・カフェインゼロといった仕様が、女性を中心に支持されてきた。今回、さらなるシェア拡大と市場ポジション確立を目指し、2種類の新商品「ALOALO ジンジャー&アプリコット」「ALOALO カシス&ローズペタル」を10月より市場へ投入。最近人気のジンジャーや、女性を意識したローズペタルなどのハーブを使い、トレンドに敏感な層をはじめユーザーの拡大を図る。
また、キリンビバレッジの「世界のKitchenから」シリーズから発売されている「ふんわり薫る柑橘ジャスミン」は、ジャスミンの花を2晩以上寝かせて、きれいでふくよかな香りを出すために低温抽出。そこにさっぱりとした香りと酸味の柑橘果汁、蜂蜜を加えた商品で、心が落ち着くリフレッシュティーとして人気を得ている。さらに伊藤園 の「Naturalジャスミンティー」は、その名の通り、ジャスミンの花で香り付けした茶葉を使用した、華やかな香りのジャスミン茶飲料。香料不使用で、香りよくすっきりとしたやさしい味わいに仕上がっているようだ。マテ茶では、今年3月発売の日本コカ・コーラの「太陽のマテ茶」が俄然注目された。これは日本では認知度が低かった南米のマテ茶葉を100%使用した無糖茶。香ばしくすっきりした後味で、肉料理や脂っこい食事に合うとされており、またパッケージやコマーシャル展開で、陽気な南米のイメージを全面にアピール。強烈な視覚印象もあり、好調な売れ行きを見せているようだ。
飲料業界は毎シーズン新商品が数多く発売されるが、ロングセラーになるものはやはり少ない。飽きることなく、長く愛される商品を誕生させるには、不況の世の中にあって、へルシーで、ホッとできるようなリフレッシュ飲料が注力されるだろう。健康茶市場は今後もますます目が離せない。