トラック運送業に社会保険加入義務付け

2008年03月12日 11:00

 規制緩和に伴う競争激化や軽油価格の高騰などから、不適正に運送原価を引き下げ、そのしわ寄せが弱い立場のドライバーなど労働者にかかるケースも顕在化しているおりから、国土交通省では法令遵守とともに、7月1日から、トラック運送事業での許可条件に「社会保険加入」を義務付け、また、未加入事業者に対しては行政処分を行う方針で、3月26日まで、一般から、意見を募っている。

  今月末には運輸局やトラック協会など関係機関に「社会保険などの未加入対策の強化」について通達を出し、業界団体、機関に周知を図る。

  同省では「昨今のトラック運送事業では規制緩和に伴う競争の激化、荷主ニーズの高度化を背景とする多層化の進行や軽油価格の高騰、安全・環境対策の強化に伴い、競争激化のなかで、競争上の優位性を確保するため、本来守らなければならない法律上の義務や規制を免れて、不適正に運送原価を引き下げるケースが顕在化している。省としてはトラック運送事業の健全な競争環境の整備を図ることが必要で、今回の措置はその一環」としている。

  この件については全日本トラック協会が平成18年末に厚生労働省を訪ね、当時の柳澤伯夫厚生労働大臣に「社会保険・労働法制等に関する要望書」として、社会保険未加入・未納事業者に対する対策強化を求めていた。その内容は「一般的には景気回復基調と云われているが、トラック業界は景気低迷しており、経営環境の悪化により、事業者が本来強制適用されるはずの社会保険を滞納・脱退するケースが多いと推測され、このままでは公正で平等な条件下での市場競争がままならない状態にあることから、同省ならびに社会保険庁に対して社会保険未加入・未納事業者の情報を公開すると共に、改善見込みがない悪質事業者に関しては、適切な法運用により厳しい対処をお願いしたい」というものだった。こうした業界団体の意向を受けた格好だ。