軽油価格高騰に対処するためのトラック運送業に対する緊急措置が国土交通省と公正取引委員会で3月5日までに決められた。燃料価格変動によるコスト変動分を運賃に反映させる「燃料サーチャージ制の導入」を中央や地方の経済団体に対し、政府として強く働きかける方針で、燃料サーチャージ制についての緊急ガイドラインを政府が作成し、周知する。
また、国土交通省は燃料サーチャージ制の導入により貨物自動車運送事業法に基づく適正な運営を確保するため、トラック運送業者に対する事情聴取・調査を通じ、必要に応じて同法に基づき立入検査を実施するとしている。さらに、運賃の健全性を確保するため、原価計算に基づく運賃設定を徹底し、「買いたたき」や不当競争につながるおそれがある取引の防止を図るため、貨物自動車運送事業法による事業改善命令の運用拡大を図る。
一方、公正取引委員会では荷主による独占禁止法(物流特殊指定)違反行為に対する監視を強化する等、独占禁止法及び下請法の厳正な運用に努める方針で、荷主による独占禁止法(物流特殊指定)違反行為に対する監視を強化するため、物流事業者約3万社を対象とした特別の調査を実施するほか、「物流調査タスクフォース」により、物流事業分野における荷主と元請間の取引及び下請取引の不当行為に対する調査を効率的かつ効果的に実施するとしている。
このほか、燃料サーチャージ制の導入やトラック運送業における下請事業者・荷主取引の適正化を推進するため、地方運輸局にトラック運送業者からの相談窓口を設置する。地方運輸局は、下請法等の違反行為の監視強化に関し、公正取引委員会地方事務所と密接に連携するとしている。
燃料サーチャージ額算定の例・キロ程(km)÷燃費(km/L)×算出上の燃料価格上昇額(円/L)