野田佳彦前総理は27日までの自身の「かわら版」で「経済を成長させる目的は国民生活を豊かにすること。働きたいと思っている人が働けるように雇用を拡大し、頑張れば給料があがるようにすることに尽きる」と国民目線での経済成長こそめざすべき経済成長であることをアピールした。
野田前総理はアベノミクスについて、「第1の矢である大胆な金融緩和は的外れ」とした。「賃金より物価が上昇すれば国民生活は苦しくなる。海外投資家は異次元の緩和に注目するが、転ぶのは国民だ」と警鐘する。
第2の矢の機動的な財政出動。「国土強靭化という美名のもとで、公共事業のバラマキなので、大的外れ」と批判。「1990年から2009年までの20年間に200兆円の公共事業が全国にばら撒かれた。同じ20年間に約430兆円もの借金がつくられた」と指摘。「でも日本は良くならなかった」とばら撒きの功罪を「歴史が証明している」ことを示した。
第3の矢の成長戦略については「的外れとはいえない」とし「環境・エネルギー、医療・健康分野を成長エンジンとする方向性は的を狙っているといえる」と評価。ただ「それらを推進するための規制緩和は深掘りされておらず、力不足。弓を引く力が弱いので、とても的に届きそうにありません」と痛烈に成長戦略のための規制緩和の弱さを指摘した。
野田前総理は「参院選挙の論戦を通して、これらを浮き彫りにしていきたい」と対決姿勢を鮮明にしている。安倍晋三総理と野田元総理の論戦が注目される。(編集担当:森高龍二)