地ビールの人気が根強い。東京商工リサーチが全国の主要メーカー70社から回答を得た結果、今年1月から8月までの動向では56社が出荷量を伸ばしていた。
それによると「大手ビールメーカーが軒並み出荷量伸び悩みのなか、地ビールは着実に支持層を拡げて好調を維持している」という。
出荷量の増減アンケートでは56社が増加、2社が横ばい、減少は12社にとどまった。減少の12社のうち、3社は7月豪雨で大規模水害が発生した九州、4社は震災復興の支援効果が薄れてきた東北にあった。
逆に出荷量が増加した要因をみると「地ビール扱い店の増加」が18社で最も多く、「観光客の増加」(11社)、「イベント売り上げでの増加」(6社)、「コンテスト入賞などによる宣伝効果」(4社)などがあがっていた。
東京商工リサーチでは「品質の向上に加え、メディアに取り上げられる機会が増え、急速に消費者に浸透していることや、都心部を中心に飲食店や小売店に積極的に納入をすすめていること」などを要因にあげている。
一方、地ビールメーカーでは「生産能力に限界をかかえ、需要増に対応できないジレンマや原材料の高騰、後継醸造家の育成などの課題を抱えていることも浮き彫りになった」としている。(編集担当:森高龍二)