便利になり、ますます堅調なレンタカー市場

2013年07月07日 17:41

 日本自動車販売協会連合会が発表している2012年度(12年4月-13年3月)の国内新車販売台数は、前年比9.6%増の伸びをみせ、販売総数では521万291台となっている。

 500万台を上回ったのは07年以来、実に5年振りとなっている。12年度はエコカー補助金や新車投入効果などの影響が大きいにせよ、景気が少しずつ回復しているのかと思いきや、1月から3月は、いきなり前年度割れの販売成績となってしまった。

 13年度から14年度については、今後、消費税率引き上げ前の駆け込み需要なども見込まれることもあって不透明な部分も多いが、「若者のクルマばなれ」や不況による所得の現象、生活防衛意識の高まりなどから、自動車の国内販売は、今後もまだまだ不安定な状況が続くとみられている。

 一方、そのような社会情勢の中「レンタカー」の需要が徐々に拡大。派手な印象こそないものの、レンタカー市場は今や約5000億円を超える成長市場となっている。出張やレジャーでの旅先での足代わりとしての底堅い需要に加え、リーマンショック以降、固定費削減の目的で法人需要が増えたほか、個人需要も所得の減額や景気不安を背景に、車が必要な時はレンタカーで充分だとする考え方が急増している。

 また、最近は便利な「乗り捨て(ワンウェイ)」も可能なので、ずいぶん使いやすい。しかも一定のエリア内なら、乗り捨てても追加料金不要であるなどサービスも充実している。

 現在、日本のレンタカー市場は、トヨタレンタカー、タイムズカーレンタル、日産レンタカー、ニッポンレンタカー、オリックスレンタカーの5社が大手としてシェアを争っているが、それぞれにサービスの充実を図って利用者にアピールし、追い風に乗ってレンタカー市場全体の利用者を増やしたい考えだ。

 中でも、かつては「マツダレンタカー」の名で親しまれ、2013年4月からは、パーク24グループ<4666>傘下のレンタカーとして生まれ変わり、名称変更した「タイムズカーレンタル」は、知名度を上げる意味でも、より一層、積極的だ。同社では、ユーザーのライフスタイルに合わせて、サービスの利便性を向上させるため、7月1日より店舗の基本営業時間を8:00~20:00に変更し、営業時間を拡大していく。全国452店舗の内、110店舗から拡大し、その他の店舗も順次展開していく予定だ。また、空港や新幹線停車駅最寄の店舗を中心に公共交通機関のダイヤに合わせた見直しを行った結果、19店舗では7:00~21:00や8:00~22:00と基本営業時間よりも長い営業時間を採用する例もあるという。

 レンタカーを利用するにあたって、営業時間がネックになることが多々あるのでこれは大きな強みになるだろう。さらに同社オフィシャルサイトでは利用開始の最短30分前からのWeb予約が可能なので、これを併用すれば、幅広いシーンでのスマートな利用ができる。

 日本経済の為には、車の販売台数が増えることが望ましい。しかしながら、消費者の立場に立って住宅事情や景気事情、もろもろの事情を考えると、自家用車離れが進むのも仕方がない。また、必要なときにレンタカーに乗るスタイルが定着すれば無駄なドライブが減り、環境面でも良い影響を及ぼすだろう。

 レンタカーサービスの認知度がもっと高まれば、車社会の新しいスタイルが生まれてくるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)