「食べたいフルーツスイーツをつぶやこうキャンペーン」、「ファミマなう リツイートキャンペーン」。自分の行動や思いをその場で発信し、共有できるツイッター。投稿には製品に対する悪評も、ポジティブな意見も平等に反映される。そうした消費者の発信する情報に目をつけ、コンビニ各社は日々、ツイッター上でさまざまなイベントやキャンペーンを展開している。
業界のシェアは言わずと知れた、1位がセブン-イレブン、2位ローソン、3位ファミリーマート。ところがNTTデータ経営研究所の調査によると、コンビニの売上シェアと消費者の「コンビニチェーン名検索ヒット件数」(ツイッター上での関心度と言い換えてもよい)ランキングには、必ずしも関係がないことが分かった。
調査した1ヶ月の間にコンビニ名を含むツイートが最も多かったのは、ファミリーマートで約51万件、次がローソンで約46万件、セブン-イレブンは3位で34万件弱だった。大手3社に限ってみれば、店舗数とツイッターでの関心度合いは逆相関の関係にあり、セブン-イレブンなどでは店舗数の多さが必ずしもツイートの多さにはつながっていない。
つぶやき回数が1位だったファミリーマートについては、1日に1万6000件をこえるツイートがなされていることになる。「ファミマ」の略称があることからつぶやきやすいのかもしれない。セブン-イレブンは「セブン」と略されることもあるが、「ファミマ」の簡略さに比べればやや劣る。また、それぞれのチェーンの公式ツイッターアカウントをみてみると、もっともフォロワー数が多いのはローソンで24万5000人。セブン-イレブンの2倍近い。
業界全体の売上が頭打ちとなる中、2013年5月の来客数はセブン-イレブン以外の各社でマイナスとなった。シェア1位のセブン-イレブンよりも、ローソンやファミリーマートの危機感はさらに強いだろう。ローソンやファミリーマートは、こうしたソーシャルなマーケティングによって来客数の増加を図ろうとしている可能性もある。いかにして多くの消費者を惹きつけるか、各社の工夫が光る。