トヨタが、豊田市や交通事業者などとの連携により、10月1日から都市交通システム「Ha:mo(ハーモ)」の実証運用を開始すると発表。公共交通機関の運行状況や道路状況に応じて最適な移動手段の情報提供を行うとともに、豊田市内の中京大学および最寄駅計4ヵ所に車両ステーションを設置して、トヨタ車体製の超小型電気自動車(EV)「コムス」10台を使ったシェアリングサービスを提供する。
「Ha:mo」は、クルマなどパーソナルな乗り物と公共交通の最適な組み合わせによって、人にも街にも社会にも優しい移動の実現を目指す交通サポートシステムの総称。今回の実証は、生活者・交通事業者・コミュニティをつなぎ、低炭素かつシームレスな移動をサポートする情報提供システム「Ha:mo NAVI(ハーモ・ナビ)」と、都市内の短距離移動を想定した小型EVシェアリングサービス「Ha:mo RIDE(ハーモ・ライド)」の2つのサービスで構成されるという。
「Ha:mo NAVI(ハーモ・ナビ)」では、それぞれ個別に運営されている公共交通などのサービスと自家用車を連携させ、独自の交通需給予測に基づいてCO2排出量と利便性の双方に配慮した移動ルートの選択肢を提示。マイカー利用を含むルート検索時に、満車・空車状況を考慮したパーク&ライド駐車場の情報もあわせて提供し、パーク&ライド駐車場と公共交通の利用実績に応じたエコポイントも付与される。
一方「Ha:mo RIDE(ハーモ・ライド)」は、公共交通の最寄駅と最終目的地との間の数キロ程度の移動につき、超小型EVを用いてカーシェアリング・サービスを提供し、社会便益と生活者の移動便益の両立を目指すもの。2012年10月から豊田市内の中京大学構内2ヵ所、名古屋鉄道浄水駅と愛知環状鉄道貝津駅の計4ヵ所に車両ステーションを設置し、「コムス」10台を運用。スマートフォンでの利用予約やICカードを使った認証・開錠による無人貸出が可能で、ワンウェイ利用もできるという。会員は当初は中京大学生・職員100名程度で初年度は無料。今後はサービスエリアを豊田市中心部に拡げ、車両100台程度、ステーション10~20ヵ所、会員1,000名の規模に拡大し、有料サービスとする計画とのこと。また、ヤマハ発動機と連携し、電動バイクや電動アシスト自転車の導入も検討しているという。