2年以上前のこと、何で今更と菅長官

2013年07月18日 08:37

 菅義偉官房長官は記者団から菅直人元総理が安倍晋三総理のメールマガジンの内容が名誉毀損にあたるとして、慰謝料100万円と謝罪を求めたことについて「2年以上前のことを何で今更という思い」と語るとともに「参議院選挙もいよいよ終盤になっているので、何か思惑があるのかなとさえ思うが、コメントは控えたい」とした。

 また「安倍総理は確たるそれなりのことがあって、書かれたのだと思う」とも語った。

 これは安倍総理が約2年前に「東電はマニュアル通り淡水が切れた後、海水を注入しようと考えており、実行した。しかし、やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だった」と掲載。この部分が名誉毀損にあたるとした。

 菅元総理は「安倍氏は2011年5月20日付のメールマガジンで『菅総理の海水注入指示はでっち上げ』と題する記事を掲載し、何度もネット上で(安倍氏に)訂正と謝罪を求めたにもかかわらず、無視し、参院選に入った今日現在に至るまで、ネット上で掲載を続けている。内容は全くの虚偽に基づき、私の名誉を著しく傷つける中傷記事であるだけでなく、民主党と民主党政権に対し、マイナスとなるイメージを植え付け、選挙の公平性を損なうもの」と批判。

 そのうえで、菅元総理は「選挙期間中での記事の削除と謝罪を行うことを強く求める」とした。

 また、提訴に踏み切った理由については「安倍総理が当時、すでに総理経験者であり、虚偽情報に基づいて私に総理辞任まで要求していたことを考え、あえて踏み切った」とした。

 参院選終盤での元総理による現職総理相手の提訴。憲法はじめ原発問題、消費税導入をめぐる判断、社会福祉制度や雇用政策など課題の多い参院選挙だけに、今回の提訴が民主対自民、あるいは元総理対現総理の対立というような低い次元に引き降ろされないよう、名誉毀損問題は名誉毀損問題として、選挙とは別の次元で冷静に受け止められることが望まれている。(編集担当:森高龍二)