政府は今年度の中小企業などに対する特定補助金などの交付の方針を23日、閣議決定した。技術開発予算の中小企業・小規模事業者などへの支出拡大をめざすもので、国などの研究開発予算の中小・小規模事業者向け支出目標額を約455億円とした。昨年度に比べ2億円上積みしている。
また、特定補助金を使って開発した技術を事業化する際の支援措置の利用を促進し、制度の実効性をあげる方針。
このため、制度の周知と活用促進にむけ、中小企業技術革新制度連絡会議の活用などを図るとともに、中小・ベンチャー企業を対象にした多段階選抜方式の導入を推進する。
多段階選抜方式は特定補助金を複数の段階に分け、段階ごとに質の高い競争を行うもので、戦略的情報通信研究開発推進事業や農林水産業・食品産業科学技術研究促進事業、新エネルギーベンチャー技術革新事業、建設技術研究開発助成制度のうち政策課題解決型技術開発公募中小企業タイプなどを着実に実施していくとしている。
また申請手続きの簡素化や外部評価の積極活用による公正性の向上、弾力的な運用など利用者がより制度をいかせるようにする。
省ごとに支出目標額をみると、全体目標455億円のうち、経済産業省が366億7000万円で最も大きく、文部科学省(41億5000万円)、農林水産省(19億円)、総務省(12億2000万円)などが続いている。(編集担当:森高龍二)