昨年末からの株高により一部の大企業では業績が回復しつつあるが、今夏のボーナスにはそれほど恩恵がなかったようだ。インターワイヤード株式会社がアンケートを行ったところ、多くは支給額などに不満を感じていることが分かった。
調査は6月21日~27日にかけて実施し、7822人から回答を得た。回答者の属性は経営者から会社員(正社員・派遣社員などの区別あり)、主婦や学生、パート・アルバイトなどさまざま。
夏のボーナスが支給されたのは全体の30.6%だった。ボーナスがある人の割合は3年前の33.8%から徐々に減少している。非正規雇用の割合が増えていることも関係しているかもしれない。
職業別では、公務員の9割以上が「出る・出た」と回答したのに対し、正社員では7割。会社の規模別に見ると、 従業員数が多くなるほどボーナスがある人の割合は高い。10001人以上では89.6%と約9割だが、500人以下では78.8%、100人以下の企業では「ボーナスあり」が56.1%まで減る。100人以下の中小企業のうち、1割は「今夏はボーナスが出ない」状況であることも分かった。
また昨年と比べた支給額の増減を尋ねたところ、「増えた」が18.5%にとどまる一方、「減った」は26.4%だった。最も多かったのは、「昨年と同じくらい」で50%。支給額が昨年と変わらない、または減った人が多いためか、今夏のボーナスに対して「不満」を感じる人は4割にのぼった。
では今夏のボーナスに対する「アベノミクス効果」はどうか。アンケートでは「感じる」が8.4%とかなり少ない。一方で「効果は感じない」は72.2%と圧倒的多数を占めた。多くの人にとって、アベノミクスの恩恵がボーナスに反映されることはなかったようだ。
そんなボーナスの使い道は「貯金」が約4割と最多。一部では高額商品の売れ行きが好調というが、多くの消費者は「守り」の意識をまだまだ弱めていないようだ。(編集担当:北条かや)