内閣法制局長官人事「権力による法の支配抹殺」

2013年08月04日 16:09

 社民党の福島みずほ前党首は内閣法制局長官の交代で集団的自衛権の行使をできるように政府の解釈変更を図ろうとする動きに3日、「5月の参議院予算委員会で集団的自衛権の行使は日本国憲法の下では認められないとはっきり答弁した山本庸幸内閣法制局長官の首を切って、合憲という人を長官に据えるのは、大暴走の極み」と内閣法制局長官の交代を厳しく批判した。人事が憲法解釈変更目的のために恣意的に図られるとの認識を示したもの。

 福島前党首は「日本国憲法の下では集団的自衛権の行使は認められないと歴代の自民党政権もそう言ってきた」と指摘し、安倍政権が現憲法下でも行使ができるとして政府見解を変えようとしていることに強い矛盾を示した。

 福島前党首は「内閣法制局に集団的自衛権の行使を合憲と、解釈を変えさせようとしている」とし「憲法解釈を180度変えさせるもの」と指摘。「自民党は国家安全保障基本法案を議員立法でなく、内閣法制局を屈服させ、閣議決定し、閣法で出そうとしている。政治権力による法の支配の抹殺」と危機感を強めている。

 安倍晋三総理は内閣法制局長官に小松一郎駐フランス大使を任命する方針。小松氏は集団的自衛権行使の賛成論者といわれており、自民党の石破茂幹事長は「集団的自衛権を行使できるようにするというわが党の立場からすれば、極めてふさわしい人材」とこちらも賛成論者であることを裏付けるような発言をしている。(編集担当:森高龍二)