敵基地攻撃能力の議論は慎重に行うと防相

2013年08月04日 16:15

 小野寺五典防衛大臣は敵基地攻撃能力への取り組みについて4日のNHK番組で「言葉の誤解がないように説明しなければならないが、これは先制攻撃ではありません。あくまでも、ある国からミサイル攻撃を受けた場合、ミサイルをすべて撃ち落す形で防ぐのだが、相手国のミサイルの数がどんどん増してきて、能力も増し、それでは防ぎきれない。そのときに元(基地)を攻撃するということはどの国もやってきていること」と説明した。

 小野寺防衛大臣は「これまではその役割をアメリカにお願いしてきた。しかし、これから日米関係の議論をする中で、あるいは国内で議論するなかで、慎重に、周辺国のさまざまな環境を考えながら省内で検討している」と述べ、慎重に進めていく姿勢を語った。

 小野寺防衛大臣は敵基地攻撃能力の議論について「北朝鮮は4月以降、日本の何処どこを攻撃するというような発言をしている。日本が当事国になる可能性も出てきている」と安全保障環境の変化を語ったうえで「日米として、今の安全保障環境の変化にどう対応していくか、日本の役割分担をどうしていくかというところから始まった」と敵基地攻撃能力の議論を本格的に始める背景を語った。

 安全保障関係懇談会の柳井俊二座長は「攻撃されないための抑止力を持つことが大事」とし「敵基地攻撃能力はないと抑止力は弱まる。どこまでやるかは防衛省の判断」とした。

 国際政治学者の植村秀樹流通経済大学教授は「敵基地攻撃能力は相手に対する挑発行為にもなる」とし「極めて慎重にすべき」と周辺国に対する影響を考えながら慎重に対応していくべきだとした。(編集担当:森高龍二)